九華山

九華山を冥界の主である地蔵菩薩の地上の住処と定めた唐代の仏教徒たちは、正しい選択をした。崖の上の寺院の窓から流れ込む霧にしばしば覆われる九華山は、死者の魂のために祈りを捧げるためにここを訪れる人々の信仰心によってさらに高められた、力強い威厳を備えている。

中国で最も神聖な仏教の四大峰の 1 つであるこの山には、現在も活動中の寺院が数十あり、500 人以上の僧侶や尼僧が暮らしている。しかし、この山も商業主義の影響を免れているわけではない。法外な値段の線香や翡翠の彫刻を売る行商人が、黄土色の寺院、揺らめくろうそく、巡礼者のスマートフォンから聞こえる低く一定の仏教の詠唱と相まって、この世のようでいて全く別の世界のような雰囲気を醸し出している。