民族学博物館

国立古代博物館と同じ建物内にあるこの小さな博物館には、タジキスタンの伝統的な衣服の素晴らしいコレクション(平均的な着用者には大きすぎると思われるウールの靴下と手袋のセットを含む)と、お守りやイヤリングの形をした上質なエナメルジュエリーが収蔵されています。しかし、このコレクションの真の逸品は、「アトラス」と呼ばれる縦縞の絹織物のサンプルです。これは、今でもタジキスタンの女性​​たちが特別な機会に着用する布です。

カラトグ地域を中心とする、この国の有名な絹織物と綿織物産業によって生産され、伝統的に男性の手によるアトラス織物は、コチニール、ザクロ、藍などの天然色素から伝統的に生産され、これらが組み合わさって糸の独特でダイナミックな色合いを生み出します。完成した織物のプリントの外観を作り出すには、高度な技術が必要です。残念ながら、この地域では織物は、プリントされたアトラスのはるかに安価な模造品である中国からの大量生産布の輸入により、衰退しつつあります。

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