この荘厳な丘の上の聖域は、イタリアで最も有名な巡礼地の一つです。1469年から1587年にかけて建てられたこの大聖堂は、ゴシック様式とルネッサンス様式が見事に融合した建物で、白い2層のファサード、そびえ立つドーム、ルイジ・ヴァンヴィテッリによる高さ75メートルの鐘楼が特徴です。しかし、建築物よりも、主な注目点はロレートの聖なる家聖母マリアが育ち、大天使ガブリエルが彼女に近々妊娠することを告げた場所と言われている小さなレンガ造りの家です。
毎年、何千人もの巡礼者が、ブラマンテが設計した豪華な大理石の衝立に囲まれたカサに集まり、宝石をちりばめた黒い聖母像を一目見、ろうそくの灯る夕暮れの中で祈りを捧げます。伝説によると、十字軍がパレスチナから追放された後、1294年に天使の群れがこの家をナザレから運んできたと言われています。
カーサから離れることができれば、内部の残りの部分は印象的な光景です。巨大なゴシック様式の丸天井が、ステンドグラスの窓、金箔の輪、明るく鮮やかなフレスコ画で飾られた洞窟のような空間の上にそびえ立っています。