カルスの東45キロにあるアニの遺跡は、絶対に見るべき場所です。訪問者は、十字軍の城から落ちてきたような巨大な城壁を通って中に入ります。その向こうには、うねる草原の海に漂う大きな石造りの建物の残骸がまばらに点在しています。かつては堂々としたアルメニアの首都で、10万人近くが暮らしていたゴーストシティのランドマークです。今日、風に吹かれた遺跡は、閉鎖されたトルコとアルメニアの国境を示す川を見下ろして感動的です。
鳥のさえずりだけが響く静寂の中で、訪問者は1000年前のこの地での生活がどのようなものであったかに思いを馳せます。繁栄した王都、厳粛なアルメニア典礼、かつて権力と栄光においてコンスタンティノープルに匹敵したこのシルクロードの貿易拠点で忙しく商売に励む旅行者、商人、貴族。